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2012年 03月 08日
雨や曇ばかりの天気が続き、未だ肌寒い日々が残る東京。
それでも今週6日には中国地方で春一番の知らせがあり、 確かな季節の変わりを感じる時期です。 来週こそは、到来する季節の印をここにも届けてほしいものです。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 今回はギャラリーのショーウィンドウを飾る大器をご紹介します。 これは高さ27cm、φ42cmもの大きなイズニク陶磁器。 イズニクはその昔、オスマン帝国時代に最盛期を迎えた トルコの窯業の地として知られています。 14世紀頃、シルクロードから伝わる中国の染付の影響から、 白地にコバルトブルーの絵付けがイズニク窯業の始まりとなりますが、 16世紀後半になるとターコイズブルー、グリーン、紫、そして赤といった 華やかな多色使いと、花や動物などその土地のものを文様にして独自に発展、 当時の権威ある宮殿やモスクなどの建築物や 調度品の装飾として重用されるまでになりました。 とりわけ味わい深い膨らみを以て発色する赤(=珊瑚の赤)は、 その彩色技術が非常に複雑で模倣さえも難しいこともあり、 イズニクの赤として西欧側からも憧れであったそうです。 展示中のこの陶磁器、コバルトブルーが基調の器外側には ハタイ(図案化された縦割り断面の花文)、 そして見込みには赤で彩られた小花の文様に囲まれて、カーネーションの他に イズニクのあるアナトリア半島が発祥とされるトルコの伝統花であり 神秘の花とされるチューリップが描かれています。 鮮やかな色使いでありながら、 少し褪せたような落ち着きもあり。 器としての十分な存在感と その広い面に描かれた ひとつひとつの 丁寧な仕事から伺えるのは 職人の高い技術の再現による まさにオスマン帝国時代の 芸術の粋と言えるものでしょう。 STAFF : Naka
by gallery-ryo
| 2012-03-08 22:40
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